長男を授かった夏。
2人の今後を決める最後の夏旅行。
旅行当日。
予定通り出発。
妊娠中は温泉に入れないと知って
道の駅で朝早くから足湯。
眩しい朝日を浴びながら定食を食べる。
車に戻ってそろそろ出発という頃、
これが最後の旅行になるかもしれない
そう思うと涙が出て
止まらなくなってしまった私。
「私は、産みたい。
でも、負担にはなりたくない。
働いているし、貯金もあるし
頼らずともどうにかできる。
だから、別れていい。
私はこの子を産みたい。」
旅行初日の朝から話すような
内容ではないことは分かっていました。
だけれど、もう
なかったことにはできない。
夫は悲しそうな顔をしていました。
「頼ってよ。まだ学生だけど。
2人の子どもでしょ?
お家とか、お金とか、
すぐにどうにかはできないけど
家族になるのはすぐできるよ。
って、この話は宿に着いたらゆっくり
話す予定だったんだけど笑」
夫は強い人でした。
エコー写真を見せた時から
すでに家族になることを見据えて
旅行中のこともその後のことも
考えてくれていたのでした。
今となっては3児の父。
たくましくなりました。
あの時の決断は間違っていなかった。
そう当時の2人に伝えたいです。